キッチンメーカー、どのように決めますか?②

オープンな対面キッチンが人気ですが、独立キッチンも根強い人気があります。
その理由は、収納をたっぷり取れること!
一番使いやすい高さ(目の前)にモノをしまえることは大きいです。
いつも収納セミナーをお願いしているヒバリ舎の内山ミエさんも、吊戸のあるキッチンが好みとおっしゃってました。

            

さて、M様邸もダイニングに隣接した独立キッチンです。
お料理が好きなM様は、20年ほど前にキッチンリフォームをされていました。
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ガスオーブン、あえて左端にした食洗機、通常よりも背の高い吊戸。
壁面にハンガーバーを取り付けて、レードルやキッチンペーパー、調味料などすぐ手に取れるところにスタンバイ!
そんなこだわりのキッチンの中でも奥様のお気に入りは、壁のタイル。
素焼き風で一枚ずつ表情が違い、フルーツや野菜の柄がとても素敵でした。

今回キッチンを変えることになったのは、排水からの水漏れでした。
でも大学受験を控えたお子様がいるM様。
はじめは補修で済むようにしたかったのですが、部品はすでに廃盤。
漏水のあるシンクだけの交換は出来ないので、キッチンごと交換しなければならない…という経緯でした。

ということで、今回は

① お気に入りのタイルを生かす

② 工期を短く & 工事の負担を軽くする

この2つがM様がご満足いただけるポイントである!と思いました。

さて、前回も書きましたが、キッチンメーカーってたくさんあるんです
その上ひとつのメーカーにも2~4種類のグレードに応じたシリーズがあり、それぞれ出来ること、出来ないことが違うわけです。お値段も違います。
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配管やフードのつなぎなど、たくさんの制約の中から適したものをお客様が判断することは難しいものです。

私たちにとっても簡単ではありません。
だからひと現場ずつ条件を確認して、お客様の望みをスタートとして心に置いて、セレクトします。

一応現場をみて可否を確認して、このメーカーだと安いから!お洒落だから!
ここから好きな色柄を選んで!はい決定!
ではありません。

M様邸ではもともとTOTOのキッチンをお使いでした。
でも現在TOTOのTHEクラッソはバックガードがありません。
カウンター

バックガードってこれです
天板の奥にある立ち上がり。
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クラッソは天板が薄い上にバックガードがないから、繊細でスタイリッシュな雰囲気で人気です。
(前回のE様邸も見てくださいね!)

でもM様邸の新しいキッチンにはバックガードが必要です。
それはタイルを生かしたいから!

キッチンを交換したときに、タイルが張られていない部分が出ては困ります。
そんなこんなを加味して、今回おススメして採用されたのはLIXILのアレスタでした。
*TOTOにバックガード付きのシリーズもありますが、諸条件で今回はこちらに。
必要十分な機能を満たしつつ、お値段も高すぎない。
本来なら補修でと考えていた交換の場合、金額が張りすぎないことも大事な要素です。

それでは出来上がったキッチンを見ていただきます

【AFTER】
吊戸はホワイト、本体は紺色。爽やかなツートンカラーにしました。
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壁はもともとのタイルだけでなく、キッチンパネルを貼っています。
今回、タイルを生かしつつ工期も短くするために編み出した(大げさですけど…)方法です。
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タイルをはがすと、大きな音が出て、工期が長くなり、ゴミも出でます。
ですのでサイズに余裕があるなら、古いタイルの上からキッチンパネルを貼ることはベーシックな方法です。
でも今回はM様お気に入りのタイルを見せたかった…
そこで、素敵な柄の入ったタイル部分を帯のように残して、上下にキッチンパネルを貼りました。
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私も初めてでしたが、お客様の希望を満たすためにこの方法を選びました。
工事方法も検討し、結果的には1週間ほどいただくこともある工事を4日で終えることが出来ました。

工事中も、生活への影響がなるべく小さくなるように工程を細かくお知らせし、
冷蔵庫や家電を使えるように移動したり。

まだ受験シーズンに突入する前ではありましたが
M様が心に余裕を持って工事に向うことができ、
それにより息子さんへの負担が減り、
水漏れの心配のない新しいキッチンになり、
お気に入りのタイルは変わらず眺めることができて
…喜んでいただけたなら幸いです!

そのためには、やっぱりコミュニケーションが大切だな、と思います。
今回もM様が食べることを大切にしていること、受験生である息子さんへの心遣いが伝わってきたからこそ、何とかしたい!と思えました。

お客様が何を感じて、何を求められているのか、自分の力だけでは察することが難しいこともあります。
ですので、「知りたいな」と思いながらお話を聞くことを大事にしつつ…
お客様からも色々な思いを伝えていただけたら、とても嬉しく思います

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