旧赤星鉄馬邸を見学しました!

今年の5月は雨の日も多く、気温差が激しいので、なかなかに心身の調子をキープするのが難しいですよね。
ゴールデンウィークも終わりすでに平常モードで動いていると思われる皆様、知らずに自身を追い込むことのないよう、時々一息つきながらやっていきましょう。

さて先日、武蔵野市の「旧赤星鉄馬邸」が期間限定(5月10日~16日)で公開されていると、テレビでも新聞でも目にしたもので、近所だし行ってみよう!と出かけました。
雨天にもかかわらず、表の塀づたいに入館待ちの列。
同じように情報をキャッチした、建築好きの方々なのね‥!と勝手な仲間意識。
行ってみれば、成蹊大学の正門の五日市街道を挟んだほとんど向かいであり、普段仕事でお邪魔しているマンションのすぐそば。
「ここにこんな空間があったの?」とびっくりしました。

チェコ生まれの建築家、アントニン・レーモンド(1888~1976)による設計で、昭和9年竣工の鉄筋コンクリート造、地階付き2階建ての緑豊かな庭園に面した実業家の大規模邸宅です。

昭和19年に陸軍に接収、戦後はGHQに接収されたあと、昭和31年からはカトリック・ナミュール・ノートルダム修道女会が所有していましたが、近年シスターのなり手がなく閉鎖することとなり、令和3年に武蔵野市が建物の寄贈を受け、市が所有するに至ったそうです。
その後、令和4年に国の登録有形文化財(建造物)に登録され、武蔵野市は旧赤星鉄馬邸と庭園の一体的な利活用について考える有識者会議や市民ワークショップなどを実施してきたそうで、今回の一般公開ウィークも、様々な声を集めるためのもののようです。

レーモンドの奥様のノエミは家具のデザイナーだったようで、建物のそこかしこにノエミデザインの造作家具があって、目を引きました。

近隣のレーモンド作品で有名な建築と言えば、東京女子大学ですね。
他にも教会や公共施設の設計が多い中、実業家の住まいを見学する機会は希少なのかも・・・。
もともと「住宅」が好きで建築の中でも住宅を扱う仕事を選んだふしのある私。
やはり住空間は、身を置いてそこに住む人の生活を想像し味わえるところがいいんだよなぁ・・と実感。

家の中に蔵↑があったり、昭和初期のムードが漂う内装やディテールは、この建物が建った時代に生まれた父親の匂いがするようでもあり、とても懐かしい気持ちになりました。

お庭がまた良いのです!

雨に濡れてしっとりとした緑に花が映えて、見学者の皆さんも散策を楽しんでいました。
さながら東京都庭園美術館みたい・・・。
この建物とお庭のセットでの活用・・・課題は多そうですが、立地的にも恵まれているし、なんとか良い方向に保全されていくとうれしいなと思いました。

この先もこの建物に注目していきたいと思います。

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