ひとり暮らしを楽しむ家(1)
2021年の夏。まだ終わってはいませんが、緊急事態宣言下のオリンピックという想像もしていなかった夏となりましたね。
そんな中、我が家にも思ってもいなかった大きな変化が。北陸に住んでいたアラ傘(80歳前後)の夫の両親が近所に移住してきました。まだとても元気ですが、今後のことを考えて思い切って子供たちが住む東京へ呼び寄せたというわけです。
春からの家探しにはじまり、知人に譲って頂いたりジモティを駆使して子供たちで家具をそろえ
暮らしに必要なものって何だったっけ?(でも全部揃えてしまうのも楽しみが減るし…)と思いつつ部屋を設えるのは意外と楽しかったですが
フタを開けてみれば引っ越しがコロナ第5波の真っただ中。そうでなくとも、長く住む土地からの移住は並大抵の覚悟ではなかったと思います。でも好奇心も強く楽しみ上手な二人なので、きっと新しい土地でも手を取り合って(すごく仲が良いのです)いい人間関係を築き、楽しい暮らしをするのではと思っています。
そんな出来事とちょうど平行して行われているのがK様邸のリノベーション。
K様は両親より少しお若い世代ですが、ご主人様をおととし看取られた後、お一人暮らし。近くにお子さんも住んでいますが、出来るだけ自立した一人暮らしを長く続けたいという思いで長く住んだお部屋のリノベーションを決められました。
はじめは水回りを中心としたリフォームで考えてらっしゃいましたが、お子さんとも相談して、思い切ってリノベーションすることに。リフォームとリノベーションって何が違うの?と思う方もいらっしゃるかも知れませんが、
リフォーム⇒水回りや収納など、部分的に手を入れる場合。
リノベーション⇒部屋の間仕切りや設備などをすべて取っ払ってスケルトン状態から新たに部屋を造る。
という感じです。
じつはK様邸、ご入居前までに部分リフォームが重ねられていた結果…
リビングを0とした時にキッチンが+4㎝
洗面室に入るところでさらに+13㎝(洗濯機はそこから+15㎝)
洗面から浴室に入るのにさらに+13㎝
と、水回りに段差につぐ段差が出来ていました。
部分リフォームは住みながらの工事が多いので、廃棄物を減らして工期を短くするためにも「壊さずに今あるものに足していく」考えで行うことが多いです。何度かのリフォームを経た家は床材がミルフィーユのようになっていたり、壁の裏にまた壁が、ということはよくある事。
両方のお見積りを作らせて頂きましたが、建築関係の仕事をしているお嬢様の「このくらいの差額なら床から全部新しくしたがいいって!」という男前なセリフでリノベーションが決まりました。長年「この空間の裏はどうも怪しい…」「浴室は本来もっと奥にひっこむのではないか…」etc. 気になっていた謎が解け、お部屋も気持ちもスッキリするチャンスも到来です。
そして私としては、K様の「自立したひとり暮らし」への考え方が響きました。「こうなった時にはこんな制度がある」と具体的に調べて漠然とした不安を減らし、心配しすぎず日々の暮らしを楽しむ素敵な姿勢がとても勉強になったのでした。年齢や家族構成にかかわらず、コロナ禍の自分たちのことに置きかえても同じですものね。
そんなK様邸のリノベーションの経過、またお伝えしたいと思います!