趣味のための空間ありき!の改装プラン
Y様ご夫妻はは弊社にほど近い築45年超のマンションにお住いです。
ご主人様は名古屋を拠点にお仕事をされている洋画家であり、奥様は趣味でチェロを弾かれるという芸術家ご夫婦。
ご自宅の他に、奥様の親御様が住んでいらっしゃったお部屋を同じマンション内の別フロアにお持ちでしたが、親御様が亡くなられたのをきっかけにそちらをリフォームして住み、名古屋の住まいを徐々に畳んで、現在のご自宅をご主人様の仕事部屋として活用する・・・という構想からご相談をいただきました。
中廊下型で玄関入るとすぐリビングダイニング、そこに接する形で3方に部屋がある独特な間取りのマンション。
唯一窓のないお部屋に、奥様がヤマハの置き型防音室を入れたいというご要望がありました。
当初はその他、主として壁クロス張替えや、和室の床を畳からフローリングにする・壁に珪藻土を塗るなどの内装工事と、システムキッチンの交換がメインの計画でした。
お打合せの途中で、室内についている給湯器をバルコニーに出して交換するなら追焚き機能付きにしたいとなり、それを叶えるにはシステムバスの交換が必須ということから、比較的新しかったバスルームも交換する運びとなりました。
メインルームであるリビングダイニングと、隣り合う書斎の床には、過去のリフォームで色艶美しい桜材のフローリングが張ってありました。
一部の下がり壁は撤去するものの、収納の位置や大きな間取り変更はほとんどなく、扉の交換や収納内部の再構築などで、もともとある部分と新しくなる部分をうまく融和させる必要がありました。
このマンションは床が直貼りではなく二重床(床組みあり)なので、畳からフローリングに変更した和室などはシステムフロアで防音機能を持たせつつ、バリアフリーを実現しています。
その床下の空間と職人の技を使って、追い焚き配管も無事完遂。
マンションは外壁(躯体)に新たに穴を開けて管を通すことはまずできませんから、元から空いている通気口などをうまく利用して新しい配管を通すことになります。
Y様のマンションのように、大規模修繕でマンション全体のサッシの更新がされていると、サッシの上部にスライド開閉できる通気口があることがほとんどなので、外壁面の穴を配管で塞いでもお部屋の通気は可能です。
キッチンbefore
キッチンafter
↓この空間は窓がなく、ついつい物を詰め込みがちでしたが・・・
下がり壁を撤去し、LD空間と壁も天井も一体化させた上で、奥様ご所望の防音室を設置。
(チェロが入ると防音室のサイズ感がお分かりいただけますかね)
周囲の空間はお手持ちのタンスを置いたり、DIYがプロレベルのご主人様が使い勝手良く収納を構築される予定なのであえて作り込まず。
和室before
和室after
和室の入口床は畳分上がっていましたが・・・
畳からフローリングに替えてバリアフリーに。
↓LDからキッチンを望む・・・玄関と室内の間にはアウトセットタイプの引き戸を付けて寒くないように。
キッチンの間仕切りにはマンションオリジナルの格子が。建築当初のデザインは今もけして古びれていません。
↓防音室が置かれる前の様子
お手持ちの飛騨家具の椅子も生地を張り替えれば新品同様に!
(元)和室の壁は珪藻土。寝室としてお使いなので、着色した障子にマッチする遮光カーテンを付けました。
障子にカーテン、もいいものです。
Y様、この度のご縁に感謝いたします。
ご夫妻の芸術活動の活力を養える空間、かつ、新旧交わり安らげるお住まいが完成したと思います。
ますますのご活躍を!!