リノベーションの塗装工事でよく使うOP、OS、CLの違いとは?

リフォームやリノベーションでの塗装工事。最近は木部(窓枠やドア、家具など)は既製品が多くなったため、登場が減っている工事かも知れません。

それでもマスターアートのように築40~50年というマンションをリノベーションしていると、毎回のようにお願いしています。主に使うOP、CL、OSCL塗装をどんな場所で採用しているか、事例を見て頂きましょう!

OP(オイルペイント)塗装

OPとは油性塗料で、いわゆる「ペンキ」をイメージしてくと良いと思います。木やコンクリート、スチールなどに塗ることが出来ます。

先ほども述べたように既製品の木部は上から塗装の必要がありません。こちらはポリ合板の面材ですが、こんな風に突板やシート材で仕上がっているからです。

 

 

でも比較的古いマンションの木部はペンキで仕上げていることが多いため、汚れやハガレを処理したあと、上から重ねて塗装することが出来ます。こちらはスチールの既存玄関ドアをOP塗装した事例。元気になれそうな黄色!

 

OP塗装のメリットは沢山の色を選べる所、上から重ね塗り出来るところ。デメリットは経年によって剥がれてくる事、塗りつぶす塗装なので木目を生かせない点でしょうか。

淡い茶色をOPで表現することは難しいため、木部は潔く白や濃いこげ茶などが美しい気がします。

 

 

CL(クリアラッカー)塗装

木部に使える透明な塗料です。好みで3分ツヤ、半ツヤなど光沢を出すことも出来ます。透明なので木目をそのまま生かすことが出来ます。

マスターアートではよくシナ合板で造った収納に塗装して、汚れ止めとして使います。

 

 

OSCL塗装(オイルステイン・クリアラッカー)塗装

オイルステインも木部に使う塗装ですが、ペンキと違って色を染みこませるような着色です。

左がオイルステイン(木目が見える)、右がオイルペイント(木目が塗りつぶされています)。

さらにオイルステインの上にクリアラッカーを塗ってツヤを出したり保護にするのがOSCL、というわけです。

木も生き物なので、同じ樹種でも黄味・赤味の差があったり、木目も様々。仕上がりも均一には行きません。その表情を楽しみつつ使って頂くと良いのかなと思います。

 

同じオープン収納でも濃い色に着色すると表情が変わりますね。このくらい濃くするなら木目を問わないので、シナよりも少し安価なラワン材を使っています。

 

こちらは元々が既製品ではない造作ドア。OS塗装だった扉を木目を生かしつつ再生しました。OSは染みこむ塗装なので、前より淡い色にすることは出来ません。塗りなおす場合は同等~濃い色になります。


いずれにせよ塗装工事は丁寧な養生から始まり、現場で人の手により調合する繊細な作業です。

ホコリが付いてはいけないので、暑くても寒くても窓は開けられずエアコンも付けません。

効率重視で人の手を使う場面が少なくなる中、塗装工事は時間と技を使う贅沢な仕上がりです!

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