コの字型のカウンター+ベッセル型洗面器の造作洗面台の作り方
マンションリノベーションで既製品の洗面台では少し味気ない、そんな時に計画するのが造作の洗面台。中でもよく行うのがコの字型のカウンターにベッセル型の洗面器を置く形です。
今までマスターアートが造作した事例とメリット、デメリットをお伝えしたいと思います!
天板は何で造る?
こちら練馬区のN様邸では天板と脚をパインの集成材で造りました。
集成材とは複数の木を接着して板状にした材。無垢の1枚物のより強度があり、樹種はパイン、ゴムなど色々。プリントではないのでナチュラルな風合いがあります。
コメリさんより
ただしそのままでは水に強くないので、好みの色に着色した後でクリア塗装をしています。もともとお持ちの鏡を正面に貼ることになっていたので色を合わせました。
こちら杉並区の賃貸マンションではPanasonicの耐水のインテリアカウンターを天板に使いました。表面に耐水、耐候のウレタン塗装を施してあるため水に強い材です。
賃貸ではよりお手入れが楽な素材を選んでいます。
ベッセル洗面器
ベッセル型の洗面器とは、天板の上に乗せて使う洗面器のこと。丸や楕円など形は色々あります。
選ぶ時に意識しているのは、天板から水栓(蛇口)が出る形かどうかです。
もしそうでない場合は洗面器の外に水栓金具を付けるため、背の高い蛇口を選んだり、天板に穴あけが必要だったり。奥行きも深くなりがちで掃除もしづらいのです。
ちなみにベッセルではなく落とし込みの洗面器はこんなイメージ。天板に大きく穴を開けて洗面台を入れ込みます。蛇口は洗面器の外の天板から出ていますね。
*実際にはTOTOのドレーナという既製品なのでイメージですが…
排水金物は?
扉がある洗面台ならこのような塩ビのトラップを使えますが、足元がオープンなので配管には気を使います。
デザイン性の高いボトルトラップや、見えても良い鋼製の配管を使います。壁排水か、床排水かは現況を見て判断しています。
壁の素材は?
既製品と違って正面の壁が仕上がっていませんので、立ち上がり部分の素材を考える必要があります。タイルならインテリア性を高めつつ水ハネ防止にもなります。
コストを考慮するならパネル。こちらは当時小さいお子さんのいるお宅だったこともあり、キッチンパネルを貼りました。
意匠的にクロスにする場合もありますが、その際はもし水で濡れたらすぐに拭いて頂けると良いかなと思います。
メリット、デメリットは?
〇メリット
この形の造作洗面台のメリットは、まずオリジナリティが出ること。既製品ではないので、鏡やタイル、上部の照明を変えることで世界でひとつの先見化粧台が出来上がります。また温かみがあり、無垢の床材を使うようなナチュラルなお宅に合います。
そして好きなサイズにできる事。既製品は60、75、90㎝など大体の大きさが決まってしまいますが、これなら間取りに合わせて自由なサイズで造れます。
△デメリット
デメリットは手間がかかる事。コの字部分を大工が造り、設備屋が洗面台と配管を設置し、タイル屋が壁を貼り、照明は電気屋がつなげ…と実は色々な職方により出来上がっています。素朴に見えますが、置くだけで完結する洗面台よりコストがかかる事も。
そのため1~2日で終えるリフォームではなく工期の長いリノベーションの中での採用をおすすめします。
以上、今回はコの字型+ベッセル台の洗面台について語ってみました。他の造作方法もありますので、またご紹介したいと思います。
手間はかかるけれど世界でひとつのオリジナル造作洗面台、ぜひご検討下さいね。
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