マンションリノベ 既存の壁天井が斜めでも構造の心配は要りません
マンションリノベーションをしているとこんな質問を頂くことがあります。
「壁(梁)が斜めになっていますが、建物は大丈夫でしょうか?」
「床が鳴るようになって歩くと沈むんですが、床が抜けてしまうことはありませんか?」
結論から申しますと、大丈夫です。
私たちは建物の床も壁もまっすぐだと思いがちですが、じつは多少の傾斜や不陸があります。
工業製品のパネルを組み合わせて造る建物と違い、コンクリートも人が造った型枠に流し込んで造っているので、定規を引いたようにまっすぐというのは難しいもの。
でもマンションの躯体は鉄筋の芯が入った厚みのあるコンクリートですから、基本的には構造の心配は要りません。どちらかと言えば、ゆがみは躯体の上の「仕上げ材の薄さ厚さ」によるものが多いのではと思います。
たとえばこちらの躯体梁。こんな風にまっすぐな材を当てた時に初めて斜めを感じますが…
きちんとスキマを埋めて下地を造り、クロスを貼り上げれば問題はありません。
専有部を完全にスケルトンにして天井(梁)、壁、床をすべて二重にすればこういった歪みはなくせますが、お部屋がひとまわり狭くなり、材料と施工費のコストが増えてしまいます。
そのため築年数の古いマンションでリフォーム、リノベーションをする際は、古い部分との融合であることをご理解頂き、コストとクオリティのバランスを取っています。
こちら練馬区のお宅でもこんな箇所が…。よく見ると斜めの部分がありますが、新しく造った天井はレーザーで墨出しをして作っているのでこちらがまっすぐなライン。
白い廻り縁に白いクロスにしたので、仕上がってしまえば支障はありません。
床についても同様です。床鳴りがする原因は、躯体のスラブの上に組んだフローリングの下地の木が痩せて、そのスキマで音鳴りや沈みの原因になっていることがほとんど。床が抜けるようなことはないのでご心配なく!
ただし戸建住宅や、マンションでも1階で床下が木造の場合は、白アリの影響や腐っている部分がないか調査が必要です。
このように築年数を経た建物のリノベーションは難しい面もありますが、できる限りご満足頂けるよう、時間やご予算の中でクオリティを上げられればと日々思っています。
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