練馬区リノベ 高さと奥行に制限がある空間にスリムな洗面台を設置
練馬区のマンションリノベーション。こちらのマンションは洗面室とユニットバスが構造壁ではさまれているので空間を広げられず、さらに排水方向の関係でこの配置をそのままにリノベーションすることがほとんどです。
その際、一見分かりませんが洗面化粧台のサイズが限られるというネックがあります。
①まずは奥行き。洗面台左側の袖壁の奥行があまりないため、洗面台がドア枠に食い込んでいるのが見えますか?左側にはユニットバス、ドア、そして洗面台。ギリギリなのがお分かりいただけるでしょうか。ちなみにドアを小さくしてしまうと洗濯機が入りません。
この袖壁が凡そ50㎝前後なのです。住まいのコンパクト化に伴ってひと昔前よりも洗面台の奥行きが浅くなってはいますが、それでも奥行き50㎝以内の洗面台は限られます。
②次に高さの問題。こちらのマンションは洗面台の上部に大き目の梁があるため、標準の190㎝の洗面化粧台が入りません。
ならば丈の短い三面鏡をセットにして180㎝に納めれば良いのですが…
問題は洗面台と洗濯機との間にある中途半端な空間。
ここにトール収納が欲しくなるのが人情ですが、メーカーに180㎝の製作がないのです。
マスターアートではこのマンション内でたくさんのリノベやリフォームをさせて頂いているため、その時々でどのメーカーのどのシリーズなら合致するかを考え、時には造作の収納を合わせながら洗面室を構築しています。
お部屋によっては50㎝の洗面台が危なげなく納まる場合もあります。こんな時にはLIXILのクレヴィシリーズをよく使います。
こちらのトール収納は足元の台輪といわれる部分を現場でカットしたイレギュラーな形。現在は納まり的にメーカーにより推奨されていないので行いません。製品は何年かごとにモデルチェンジで変わってしまうので、その時々でアンテナを張って合致するものを見つけています。
解体後に新しい壁の位置を描いていく「墨出し」では、計画している浴室・ドア・洗面台ドアがちゃんと並ぶかドキドキです。
というわけで、今回T様邸ではTOTOのオクターブスリムというシリーズを採用しました。ラウンドする形なので袖壁に接する部分の奥行きが43㎝と浅く、こういった場所に適しています。
収納については洗面カウンターを伸ばして下部に引出し収納、上部には吊戸を設けました。上下を切り離すことで高さの制限をなくしました。これで洗濯機との間に不要な空間も出来ません。
こんな風に洗面室には色々なせめぎ合いがありますが、お風呂を小さくすることなく収納を我慢して頂くこともなく使いやすい空間になるよう、工夫を込めています。
マスターアート、収納にこだわっております!