介護とライフワークの両立

A様はご自宅でご両親様の介護をおひとりでなさっていました。
広々120㎡超の住まいはマンションの最上階。
築40年近く経っており、設備機器の老朽化や専有部分の配管の劣化も心配でしたが
それに併せて車椅子生活のお母様、ほとんどの時間をベッドで過ごされるお父様の介助がしやすいように、バリアフリーの室内にすることが目標となりました。

また、A様のご趣味でもある「織物」の教室を将来的にご自宅で開きたいというもう一つの目標もありました。

お父様は自室のベッドで横になっていらっしゃることがほとんどでしたが、お母様はA様の目の届くリビングに移動式のベッドを置いて介助されていました。
お住まいのマンションは、規約で床はカーペット仕上げしか許可されていなかったので、車椅子やベッドのキャスターが操作しやすいよう、また汚れた時に汚れたところだけ交換ができるように、脱着可能な50cm角のタイルカーペットを選択しました。

リビングの照明は織物教室になったとき、織機をどんなふうに配置してもいいように、天井のライティングレールにスポットライトを複数つけてフレキシブルな計画としました。
閉鎖的でダイニングと分離していたキッチンはL型オープンにレイアウト変更。
A様がキッチンに居てもご両親の様子が見えます。
トイレや浴室は、介助がしやすいように部屋のサイズを従来より大きくし、床の段差も解消。
リビングと洋室には高齢者に優しい床暖房を設置しています。

A様は、ご相談に先立ち、弊社が開催した他現場の完成内覧会に足を運んでくださいました。
けしてご自宅から近い現場ではなかったのですが、介護の合間をぬってご来場くださり、A様の真剣な思いを私たちは受け取りました。
リノベーション完成後、A様は「これまででいちばん、やってよかったと思えることでした。」とおっしゃってくださり、お披露目パーティーを企画、たくさんのご友人とともに私たちもお呼ばれし、手料理でおもてなししていただきました。

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