練馬区中古マンションリノベで出てきたGL工法の壁下地
リノベーション工事で室内を解体していくと、壁の下地ボードがこんな風にモルタル的な素材のお団子で張られていることがあります。
これは「GL工法」といい、コンクリートの躯体に、GLボンドという左官系(粉を水で練るタイプ)の接着剤を用いて石膏ボードを張る工法です。
*画像は吉野石膏さんからお借りしています
石膏ボードをベリベリ剥がしても、接着剤のお団子そのものが残ったり、跡が残ったりして、こんな風景となります。
躯体コンクリートをきれいにするために、工具を使って硬化したGLボンドを丁寧に撤去していきます。
室内の間仕切壁は、壁式構造でない限り、間柱をボードでサンドした壁ですから、GL工法は主に隣のお宅との境界壁や、外壁面、梁型などコンクリ躯体の内壁面に見られます。
GL工法でつくられた壁は、リノベでも同じようにGL工法で施工するかというと、必ずしもそうではなく、木材や軽量鉄骨をコンクリート面に留めて下地とし、その上に石膏ボードを張って仕上げることが多いです。
GL工法のメリット
★下地を組む必要がなく、工期短縮につながり、材料費や工費が抑えられる
★下地分の厚みを抑えられるので部屋がすこしでも広くなる
デメリット
★コンクリート面(天井は不可)のみしかできない
★ボンドが定着しづらくなるため湿気のあるコンクリート面には適さない
★下地の厚みがないため配線や配管を壁内に隠せない
★下地の厚みがない分空気層がなく遮音性が低い
こうしたことから近年の一般住宅としてのマンションにはあらたに採用されることは減ったと言えるGL工法。
私達にとっては、古いマンションを解体するとしばしば出会うなじみの下地なのです。