「エアコンの交換」もリフォーム工事のひとつです。
通常のルームエアコンは室内機が壁についていて、マンションの外壁にそれ用に開いている穴から冷媒管(エアコンの冷媒～冷やすための物質～を通す管)やドレン管(エアコンで発生した水滴を排出する管)をベランダに出し、室外機を設置して管を結ぶという作業になります。
外壁は鉄筋コンクリートのため壁内に配管を隠蔽することができず、どうしても室内に見えてしまいます。
少しでもきれいに見せたい場合は「スリムダクト」と呼ばれる配管のカバー部材を使ってスッキリ収めるように施工します。

さて、こちらのお宅は、天井に埋め込まれて設置されているエアコンを交換したいというご依頼で工事に入ることになりました。
あまり一般的とは言えませんが、たまに最初からこのタイプだというマンションはあります。
交換機種が限られますので、電気屋による下見は必須です。

よく事務所や店舗では見かける天井埋込カセット形エアコン（略して天カセと呼びます）ですが、天井に埋め込まれたスピーカーのように、お部屋にすっきり収まるのが利点。
しかし、すべての部屋に設置できるわけではなく、天井裏に十分なスペースが必要な点がデメリットです。
また、交換できる機種が限られていて価格が高いのもやや難点です。

エアコンを撤去したところ。
このお宅の場合は、エアコンのために一部の天井が下がっていますね。大きな梁みたいな感じです。

天井そのものが機械を受け止めているだけではなく、吊り金具で天井躯体にしっかり留めてその重量を支えます。
エアコンは相当重い機械ですからね。

さすがに作業は二人がかりです。

新しい室内機がきれいに入りました。施工前に必要開口寸法を確認して検証しますが、既存の開口が狭かった場合は天井のボードを少々カットして収めます。
室外機もこの通り。

室内側に見える壁が厚くなっているところが配管スペースになっています。

こうした特殊なケースの場合は、家電量販店では対応してもらえないこともあります。
リノベの場合、空調設備は将来必ずある交換のこともイメージしながら計画することが大事です。