T様邸リノベ エピソード②
エピソード①でリノベーションのスタートです!と威勢よく宣言しましたが、着工までにはいくつかステップがあるのでした。
全体の計画の方向性が決まってきましたら、弊社では一度「プランニング契約」をお客様と交わし、
その先の詳細設計・詳細お見積に進みます。
そのタイミングでいわゆる内金をお振込みいただくのですが、そのお金は工事代金に充当しますので、別途料金ではありません。
並行して計画のスケジュールを固め、工程表なども作ります。
基本プランと基本お見積書をもとに、本契約を結びます(契約後に発生した追加変更などに関しては、最終金での精算となります)。
マンションの規約に則って、管理組合に工事許可申請をし、承認をいただいて以後、ようやく工事に着手可能となります。
また、着工前には、騒音や職人の出入りでご迷惑をおかけする近隣の住民の方々に、粗品をお持ちしてご挨拶回りをします。
そして、共用部(エントランス・通路・エレベーターなど)に養生(傷がつかないように保護材を敷設)することも大事な準備のひとつです。
水回り設備(キッチン・浴室・洗面室・トイレ・給湯器)をすべて交換し、老朽化した給排水配管を撤去・更新する大規模リフォームの場合、設備機器をひとつひとつ選ぶことの他、部屋の大きさに応じた空調機器や照明/電気配線などの計画、床・壁・天井の仕上げ材をどうするか、収納計画、扉類をどう造るか、カーテンは・・・など、「仕様決め」というお客様にとっては楽しくも根気のいる作業があります。
お客様の求めるものをヒアリングしつつ、住まい全体のバランスも考えつつ、こだわりポイントと優先順位を整理しつつ、アイテムを決定していくサポートをすることが、私たちの大切な役割です。
”本契約前に、全部の仕様が確定しているものなんじゃないの・・・?”
と疑問に思われるかもしれないですが、もちろん、そういうパターンもあります。
でも、安い買い物ではないので、吟味して選びたいのが人情。
決め切るまでにはけっこう時間がかかるものです。
打ち合わせの初期の段階では、T様のお話を伺いながら、多くのシリーズ、価格帯のある機器類の中で、どのあたりがフィットするかを考慮し、たたき台のプランを作ります。
たとえば、キッチン。
今までお使いのキッチンをもとに、新しいキッチンに要るもの、要らないものをあぶりだし、純粋に「こんなキッチンがほしい!」といった奥様のワクワク感も盛り込んで、そう、メーカーのショールームへGO!です。
キッチンのショールームはだいたい、新宿にあります。
(画像はお借りしています)
西新宿にLIXIL
南口から代々木方面へ行けばTOTO
甲州街道を西へ進めばクリナップ
この3つは見学します。T様に製品の特長を説明してもらったり質問に答えてもらうためアドバイザーさんの予約を入れておきます。私もたいがいの場合同行します。
施工的な面で可否を考えたり、アドバイザーさんと直接話す方が早いことも多いからです。
(優秀なアドバイザーさん、対応の気持ちよいアドバイザーさんがついてくださると、お客様のメーカーに対する印象が良くなり、ひいては製品に対しても好感触になるのは、よく見てきたことです)
ショールーム見学で大事なのは、メリットだけでなく、デメリットもきちんとご説明して、使うご本人にとってどんな機能が快適で使いやすいかを見極めていただくことです。
最新式であったり、ハイスペックのものであっても、それがお客様にとって使いにくかったり不要なものならば、無意味なのです。
また、そういうものは高価でもあります。ほんとうに欲しいものにコストを掛けたいですよね。
キッチンは、扉の面材やカウンターの材質によってセット金額が上下しますので、お客様の満足度に直結するそうした「キッチンの顔」は、なるべく妥協しない方がいいと感じます。
新しいキッチンを眺めるにつけ、気分がアガるからです。
T様も上記3メーカーを比較検討された結果、LIXILのキッチンに決定されました。
ショールーム見学は1日2ヶ所が精一杯。
お客様も集中してご覧になるためお疲れになります。
(ちなみにキッチンは奥様中心、浴室はご主人様中心というのが主流です)
お昼を挟んでショールームを移動する場合は、ランチをご一緒します。
(その時間も見越して午後のショールームの予約時間を決めています)
ランチタイムはお客様とコミュニケーションを深める貴重な時間。
共に住空間を創り上げていくために、こうした時間の積み重ねが大切なのは言うまでもありません。
(画像はお借りしています)
・・・と、エピソード②でもまだ工事は始まりませんでしたね!
つづく