マンションリノベ 内装の仕上げには素材の「目」=方向があります
内装の仕上げには「目」がある事があります。「目」とは我々が呼ぶ材料の方向のこと。
あまり意識されませんが、いざ施工する時にはどの方向に向けて貼るのかは意外と大事なこと。
どんな材料の時に「目」を気にして施工しているか、マスターアートの事例でご紹介してみたいと思います。
フローリング
フローリングは長い素材なので、通常は部屋の長い方向に合わせて貼ることが多いです。その方が奥行き感が出て部屋が広く見えますし、材料を長く使えてロスが少なく済みます。
こちらのお宅では天井に木目調のクロスを選ばれたので、当然床と天井の目を合わせます。
廊下も同じく、長い方向に合わせて施工します。そのため玄関框に対して直角になる場合と方向が揃う場合があります。
昔は戸建などで、上がり框に対して直角に…という時代もあったようですが、今は気にせず廊下の長手方向に合わせています。
家全体を見た場合のフローリングの目はだいたい揃えますが、部屋の形によっては90度変える事も。そんな時にはドアの下に同色系の見切り材を入れます(方向が同じでも見切りが入る場合もあります)。
正方形に近い部屋だと悩む事もありますが、そんな時は家具の向きなどをイメージして決めたりします。ベッドによりかかって床にぺたんと座る時、バルコニーの窓に向かう風景などなどをイメージして頂き、ご自身の「しっくりくる」感覚を優先されて良いと思います。正解はありません!
タイル類の目
こちらは玄関の土間に貼ったフロアータイル。一見方向性がなさそうな、こういったタイル類にも実は目があります。
これもどちらが正解という事はありませんが、ランダムに貼ると少しラフな雰囲気、同じ目で並べるとやや落ち着いた感じ、など多少の差があります。かすかな差!
こちらはカーペットタイルの一種、TOSOのファブリックフロアー。50㎝角のタイル状の素材ですが、市松に貼るとリズムが出て、和洋室によく合います。
ビニールクロス
壁紙にも「方向」があるものがあります。ただビニールクロスは柄を選んで決めているので、現場で「どちらに向けよう?」と悩むことはありません。
あえて言うなら、ヨコ方向の柄は横に広がりを感じやすく、タテ方向の目のものは縦を強調しやすい。階段室にタテ方向の柄は合っていますね!
扉
ドアやキッチンの面材など、木目の扉にも「目」があります。
基本的にはタテは和風、ヨコは洋風のイメージですが、色や取手など全体のデザインで雰囲気が決まります。色味を合わせてあげれば部屋としての統一感が出ますね。
この様に実は色々な内装材に「目」がある事がお分かり頂けたかと思います。材料そのものの「目」と、貼り方の「目」がありますね。
とはいえ意識しすぎる事もありません。トータルで見た時により広く見えたり美しく納まるよう、お手伝いさせて頂きます!
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