開き戸、折戸、3枚連動etc.収納扉の種類とメリット・デメリット
リフォームやリノベーションをお考えの方において「収納」はとても関心の高い要素です。
今回は主にクローゼットなど居室に備えられている収納の扉について、その種類と特徴(メリット、デメリット)をまとめてみます!
①引違い扉
和室に備わっているのが押入れ。布団収納が欲しい場合は元々の「中段+枕棚」を生かすと良いですが、服を収納したい場合は中段を壊し、パイプを渡してクローゼット収納に出来ます。タタミをフローリングやカーペットにするなど、「洋」の要素を加えるならば元のふすま戸を板戸にするのがおすすめです。
メリット
ふすまは破れる心配があったり、見た目にも和の要素が強すぎるので、リノベーションの機会にポリ合板面材を使った扉にすることも多いです。扉自体も丈夫になり壊れたり反ったりしにくい・猫ちゃんなどのペットが勝手に開けにくいメリットがあります。
デメリット
扉半分ずつしか開かないので、布団を軽く折りたたまないと出し入れ出来ません。たいてい布団の幅は1mですが、押入の扉は75㎝程度しか開かないからです。敷居を使って扉をスライドさせるので、開け閉めが少し重いです。それらを改善するためには後述の3枚連動扉を使うのも一つです。
②開き戸
引違い戸と並んで昔からある収納扉が開き戸。1枚だけなら片開き戸で2枚なら両開き戸。下の写真は布団用に幅1mで造った収納。両開きを開けると内部が全て見渡せます。
メリット
内部がすかっと見渡しやすいので、物の出し入れもしやすいです。また扉の枚数が少なくて済み、シンプルな構造なのでお値段が安く、比較的壊れにくいです。
デメリット
たとえば上の写真の例では1枚の扉幅は50㎝ほど。扉が50㎝の半円を描いて開くので、手前にモノが置いてあるとぶつかったり開かなかったりします。空間が狭かったり、手前にベッドなどの家具があったりすると出し入れが急に不便になります。
③折戸
クローゼット収納扉で一番よく見るのはこれかも知れません。収納の幅に応じて2枚、4枚、6枚と扉を割付けて、山折りしつつスライドして開閉します。
メリット
大きく開くので中が見渡しやすいです。また1枚の扉の幅が小さいのでコンパクトに開け閉め出来ます。また使う場所だけをピンポイントで開けられます。閉めた時の扉の面がまっすぐに揃うのでスッキリ見えます。
デメリット
開口に対して扉板の枚数と金物が多い分、開き戸より高価です。またあまり背の高い折戸は、重みで丁番に負荷がかかってゆがみが出ることがあります。開けた時に「たたみしろ」が出来るので、たとえばこの中にプラケースの引き出し収納を入れて使おうと思ったら、壁にぴったり寄せてしまうと引出しが開きません。
④
④3枚連動引戸
①~③の良いところ取りをしたのがこの3枚連動引戸ではないでしょうか?マスターアートでは本当によく使います。3枚のレールの上を3枚の扉が走り、収納幅の2/3が開きます。
メリット
全幅の2/3が大きく開くので、布団のような幅のあるものも出し入れしやすい。折戸のような「たたみしろ」がないので隅にぴったりプラケース収納も置けて空間を無駄なく使える。引戸なので開けっ放しができ、扉の前にモノが置いてあったり家具が近くても開閉に邪魔になりません。
デメリット
あまりポピュラーな仕様ではないので、比較的高価です。そして見た目は扉の面が揃わず段差が出来ます。また3本のレールが必要なので、枠の奥行きが多く必要。①~③は9㎝ほどで済みますが、こちらは12㎝以上必要になります。
このように収納扉の種類もいろいろな形があり、どれも一長一短の特徴があります。
たとえば広い部屋でお値段重視なら開き戸、リビングなど見た目も気になる場所なら折戸、コンパクトな空間で収納を造る必要があるなら3枚連動引戸…など、マスターアートではそのお宅に合った収納扉をセレクトしながらプランを造っています。
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