窓の性能を上げたい時、カバー工法と二重サッシのどちらにする?
政府による大型補助金制度、『住宅省エネ2025』キャンペーンが行われます。
リフォームやリノベーションをお考えの方なら使わないと損!な制度なのですが、2024年度との大きな違いは開口部または躯体の断熱改修が必須となった点です。
古いサッシは経年によるゆがみでスキマ風が入ってきたり、夏は暑く冬は寒い部屋もあるかと思います。気密性が高まれば光熱費も削減できますので、どこかの窓工事をプラスしてキャンペーンを使えるようにするとお得にリフォーム出来るかも知れません。
窓の性能を高めるには「カバー工法で窓を交換する方法」と「二重サッシで窓をプラスする方法」がありますが、それぞれの違いは何でしょうか。
カバー工法による窓の交換
カバー工法とは、既存の枠をカバーする形で新たな枠をかぶせてサッシを付ける工法です。こちらは杉並区のテラスハウスの事例ですが、既存の窓は溶接されコンクリート壁に埋まっています。
これを全て取り払ってサッシを新しくするためには外壁も傷めますし、大工事になってしまいますね。
そこでこんな風に、元のサッシの内側に枠をかぶせるような形でサッシをつけるのがカバー工法。
サッシが付きました。古いサッシの時より窓が少し小さくなってしまうデメリットはありますが、短い工期で性能の高いサッシに交換ができます。
ちなみに部屋内は白、外側はシルバー色などカラーを変えることが出来ますので外観の統一性も損なわず、お部屋を明るく出来ますよ。
通常の引違いだけでなく、こんな風に段窓、連窓にすることも可能。こちらのお部屋にはエアコン用のダクト穴がなかったので、窓の一部を使ってエアコン用の穴を設けることにしました。窓用のウインドウエアコンもありますが、気密性や防犯性を考えたらこちらの方がおすすめです。
二重サッシをプラスする方法
一方こちらは窓の内側にもうひとつサッシを付ける方法。インナーサッシ、内窓などとも言います。
窓が二重になることで間に空気層が出来て、外気との温度差をやわらげてくれます。大規模修繕でサッシの交換が終わっているマンションさんでも、さらに二重サッシにしたいというご要望は頂きます。
注意点としては、二重サッシをつけるための枠の奥行きが足りないと「付け枠」が必要になる点。サッシの部材で簡単に付け枠ができる場合と、強度を増すために大工の工事が必要になる場合があります。
でも基本的には枠が7㎝以上あれば取付けは簡単!窓数にもよりますが、半日で完了します。
外からの音もぜんぜん変わりますので、幹線道路沿いのお宅にもおすすめです。
もちろん内側からの音も防ぎますので、楽器を弾くお部屋にもおすすめですよ。
以上、それぞれがどのようなお宅に適しているかと言いますと…
◆カバー工法
戸建など窓が専有部にあたるお宅、抜本的に窓を改善したい場合、比較的工期がたっぷりある場合
◆二重サッシ
マンションなど勝手に窓を替えられないお宅、短い工期で工事したい場合、コストを重視したい場合
といった感じになります。
補助金を使う場合はカバー工法であっても二重サッシであっても、窓ガラスのグレードにより補助金額が変わります。またカバー工法は建物の構造によって使えるサッシのシリーズが変わるので選定がとても複雑です。
選定はこちらで行いますので、ぜひトータルでご相談下さいね!
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